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C

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Cc Cc
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz
最左列のアルファベットは母音字

Cは、ラテン文字(アルファベット)の3番目の文字。小文字は c 。

ギリシア文字のΓ(ガンマ)の字体に由来し、キリル文字のГも同系である。これに対し、キリル文字のСは別字で、ラテン文字のSに相当する文字である。

字形

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筆記体
ジュッターリーン体

大文字、小文字とも半円形ないし不完全な円である。

フラクトゥールではのようである。

歴史

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ギリシア文字のΓ(ガンマ)の字体には、「く」の字の角度で書かれたものを丸めた字体もあり、これに由来する[1]。

古ラテン語期には /k/ 音および /g/ 音の双方をこの文字で表していたが、後に C を変形した G の文字が作られ /g/ 音を担うように分化し、C は /k/ のみを表すようになった。

ラテン語期を経て俗ラテン語期に入ると前舌母音の前に位置する場合に限り軟音化が進んだ(音価節参照)。

いっぽうラテン文字を使う西/南スラブ系の言語などでは C を [ts] と発音する用法が発達した。19世紀にサンスクリットの研究が進むと、サンスクリットの持つ子音 [c] および [cʰ] (いずれも日本語のチャ行に近い音)を( ch および chh ではなく)c および ch で表すことが定着し、c を常にこのような音価に用いる用法は、後にはインドネシア語の正書法などに受け継がれた。

呼称

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音価

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現代では多くの言語の正書法や音標記号などにおいて用いられるが、その流儀は大きく2つに分類できる。

Cの置かれた位置によって2種類の音を表す正書法

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元来のラテン語の c は常に [k] で発音された[2]。 後世の言語においても、a · o · u · l · r などの前の c はラテン語時代と変わらない [k] 音を保っている[3]。 また、フランス語やルーマニア語などでは語末に c を置く単語がいくらかあり、これらも [k] で発音する[4]。

(例) フランス語: lac [ラック] 「湖」、ルーマニア語: bec [ベック] 「電球」

軟音化

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俗ラテン語時代になると一部の転訛が始まり、c の直後に“前舌母音”( e · i · y · æ )が来る場合に限り、その影響を受けて、c を [c] (「ティ」と「キ」の間のような子音)や [ʧ] (「チャチュチョ」のような子音)で発音するようになった。これを軟音化と呼ぶ。 元来の [k]と発音するのを「固い (hard) c」、摩擦音 (/s/) や破擦音で発音するのを「柔らかい (soft) c」と呼ぶ (固いCと柔らかいC(英語版))。

時代が下りロマンス諸語が分化するにつれ、この音はさらに多様な音へと分化した。現在のロマンス諸語の正書法は、こうした自然の音変化を受け継いだものである。また、フランス語の影響を大きく受けた英語でも、同様の読み方をする[5]。

英仏語のCとヨーロッパの言語

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上記以外のヨーロッパ圏の言語では c をこのように使い分けることはないが、ラテン語やフランス語、英語などから c を含む単語を借用する場合、e · i · y ( · ä [7] ) の前の c を z, c, s などに、a · o · u · l · r の前の c は k に、それぞれ置き換えて用いるのが伝統的であった。一例を挙げれば:

いずれも英語やフランス語の concert 「コンサート、演奏会」の借用で、各言語の規則にしたがって字を置き換えたものである。

ベトナム語

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ベトナム語の正書法「クオック・グー」では c はつねに [k] を表すが、その位置は a, o, u などの前[8]や音節末[9]に限られる。 その他の場所では [k] 音に k や q を用いる。 わかりやすく言うと、ka, kê, ki, kô, ku, kwôk などと書けば済みそうなところ、わざわざ c や q を持ち込んで、ca, kê, ky, cô, cu, quôc などと表記するルールだが、もともとクオック・グーはフランス人宣教師によって考案されたものであり、考案の際にロマンス諸語的な表記法を大いに参考にしたことがこうした部分にもよく表れているといえる。

Cの位置にかかわらず破擦音などを表す用法

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インドネシア風かき氷 es campur を売るジャカルタ市内の屋台。「エス・チャンプル」と発音する。

正書法

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その他

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(例) サンスクリット: candraḥ [チャンドラ] 「月」、アイヌ語: cise [チセ] 「家」

記号付き文字、多重音字などについて

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  • 各種ダイアクリティカルマークの付いた c については、#関連項目を参照。
  • 二重音字としては、ゲルマン系の言語で ck [k] が広く定着しているほか、多くの言語で ch が様々に使われている。 後者については ch を参照のこと。
  • 国際音声記号で用いる ɔ や ɕ については、それぞれの項目を参照。

Cの意味

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学術的な記号・単位

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  • 百を意味する数字。語源はラテン語で「百」を意味するcentum。ないしその派生語の略。
  • 十二を意味する数字。十六進法や二十進法など、十三進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過)において十二(十進法の12)を一桁で表すために用いられる。
  • circa (c.)  通例、年代と共に用いて、およそ、約、...の頃の意。 「c.1162–1227」は、1162年頃生まれ・1227年没(正確)。
  • 炭素の元素記号。
  • 電荷の単位クーロンのシンボル。
  • 温度を示すセルシウス度(摂氏)で用いられる記号(℃)。
  • 数学では一般に既知の数、集合、行列等を示す、A, Bに次ぐ文字として用いられる。
  • 大文字太字の Cは、数学において複素数 (complex number) 全体の集合を表す。
  • 中心化群 CG(S)
  • 関数の滑らかさ Ck
  • 定数 (constant) を表す。特に積分定数を表す時は通例大文字。
  • nCm は組合せ (combination) の総数。
  • 対称操作のひとつである回転を表現する記号。具体的な使用例は分子対称性を参照。
  • 実数連続体の基数。
  • 光速度(celeritas)を表す(小文字)。
  • 自然科学では熱容量・電気容量(capasity、大文字だが比熱容量を表す際は小文字)、濃度(concentration)、光度 (カンデラ:candela)を示す文字に用いる。電気容量を表すことから、回路素子のコンデンサ (condenser, capacitor) を表す際にも用いる
  • 加熱を示すときに用いられる場合がある。加熱を表すフランス語「Chauffage」の略。
  • トランジスタの端子の1つ。コレクタ (collector)
  • CPUのコア(core)のこと。
  • C言語。プログラミング言語の1つ。ここから派生した言語であるC++と組み合わせてC/C++と表記されることもある。
  • 虫歯を表す。また C1 - C4 (CはCariesの頭文字。)でその進行度を表す。
  • 文法で、補語 (complement)、可算名詞 (countable) の略号。
  • 音楽で用いられる拍子の1つ、4 分の 4拍子の記号は大文字の C に似ているが、起源的に関係がない。
  • カラー印刷などで使われる基本色 YMC, YMCK の中のシアン (Cyan)。
  • 音楽で用いられる音名の1つ(英米式、ツェー(独式))。イタリア式で「do」(ド)、日本式では「ハ」に相当。 → ハ (音名)
    • 音階の1番目の音であることから、日本の音楽・芸能関係者の間で1を表す隠語として使われる。例:C(ツェー)万=1万(円)
  • 写真の印画紙の面種が光沢仕上げ (crystal) であることを意味する。対する絹目はS (silk) で示す。
  • 視力検査で用いられるランドルト環は、Cを基にしている。
  • ケッペンの気候区分の温帯を表すC
  • マクロ経済学で、Cは消費 (consumption)を表す。また、cは限界消費性向を表す。

その他の記号

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商品名・作品名

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符号位置

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大文字UnicodeJIS X 0213文字参照小文字UnicodeJIS X 0213文字参照備考
C U+0043 1-3-35 C
C
c U+0063 1-3-67 c
c
半角
C U+FF23 1-3-35 C
C
c U+FF43 1-3-67 c
c
全角
Ⓒ U+24B8 ‐ Ⓒ
Ⓒ
ⓒ U+24D2 1-12-35 ⓒ
ⓒ
丸囲み
🄒︎ U+1F112 ‐ 🄒
🄒
⒞ U+249E ‐ ⒞
⒞
括弧付き
𝐂 U+1D402 ‐ 𝐂
𝐂
𝐜 U+1D41C ‐ 𝐜
𝐜
太字
𝐶 U+1D436 ‐ 𝐶
𝐶
𝑐 U+1D450 ‐ 𝑐
𝑐
イタリック体
𝑪 U+1D46A ‐ 𝑪
𝑪
𝒄 U+1D484 ‐ 𝒄
𝒄
イタリック体太字
𝒞 U+1D49E ‐ 𝒞
𝒞
𝒸 U+1D4B8 ‐ 𝒸
𝒸
筆記体
𝓒 U+1D4D2 ‐ 𝓒
𝓒
𝓬 U+1D4EC ‐ 𝓬
𝓬
筆記体太字
ℭ U+212D ‐ ℭ
ℭ
𝔠 U+1D520 ‐ 𝔠
𝔠
フラクトゥール
ℂ U+2102 ‐ ℂ
ℂ
𝕔 U+1D554 ‐ 𝕔
𝕔
黒板太字
𝕮 U+1D56E ‐ 𝕮
𝕮
𝖈 U+1D588 ‐ 𝖈
𝖈
フラクトゥール太字
𝖢 U+1D5A2 ‐ 𝖢
𝖢
𝖼 U+1D5BC ‐ 𝖼
𝖼
サンセリフ
𝗖 U+1D5D6 ‐ 𝗖
𝗖
𝗰 U+1D5F0 ‐ 𝗰
𝗰
サンセリフ太字
𝘊 U+1D60A ‐ 𝘊
𝘊
𝘤 U+1D624 ‐ 𝘤
𝘤
サンセリフイタリック
𝘾 U+1D63E ‐ 𝘾
𝘾
𝙘 U+1D658 ‐ 𝙘
𝙘
サンセリフイタリック太字
𝙲 U+1D672 ‐ 𝙲
𝙲
𝚌 U+1D68C ‐ 𝚌
𝚌
等幅フォント
Ⅽ U+216D 1-3-35 Ⅽ
Ⅽ
ⅽ U+217D 1-3-67 ⅽ
ⅽ
ローマ数字100
記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
ᴄU+1D04‐ᴄ
ᴄ
LATIN LETTER SMALL CAPITAL C
ᶜU+1D9C‐ᶜ
ᶜ
MODIFIER LETTER SMALL C
🄲︎U+1F132‐🄲
🄲
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER C
🅒︎U+1F152‐🅒
🅒
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER C
🅲︎U+1F172‐🅲
🅲
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER C
🄫︎U+1F12B‐🄫
🄫
CIRCLED ITALIC LATIN CAPITAL LETTER C

他の表現法

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脚注

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  1. ↑ ギリシア文字のΓは元々様々な角度で書かれていた。
  2. ↑ ただし、G が発明されるより前の最初期のラテン語では、[k · g] の両音兼用だった。
  3. ↑ ただし cl の組み合わせは言語によって変形を被っていることが多い。例: ラテン語: clavis 「鍵」 [クラウィス] > フランス語: clé [クレ] / イタリア語: chiave [キァーヴェ] / スペイン語: llave [リャベ] / ポルトガル語: chave [シャヴィ]
  4. ↑ フランス語では無音の場合もある。 (例) blanc [ブラン] 「白い」。
  5. ↑ オランダ語も同様。ただしラテン語やフランス語由来の語彙自体が英語よりはずっと少ない。
  6. 1 2 3 フランス語・英語以外では cy の組み合わせは稀。
  7. ↑ ドイツ語ではラテン語の æ を ä に置き換える。
  8. ↑ 正確には、a · o · ô · u · ơ · ư · ă · â の前。
  9. ↑ 正確には音節末では若干違った音になる。
  10. ↑ “「恋愛のABC」って何?”. @DIME. 小学館 (2024年2月12日). 2026年9月15日閲覧。

関連項目

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